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凍霜害を防ぐ:作物の管理

  • 2021年12月3日
  • 読了時間: 2分

更新日:2024年8月18日

 「寒さに備える植物」に記したよう、植物には冬を越すための準備機能がある。ところが暖かい日が続いた後に急に襲う霜のような場合には、その機能を発揮できずに凍霜害を受けてしまう。露地作物でこうした被害を作物の管理面から軽減する方策は限られ、前節の物理的な対策に頼らざるを得ない。一方、ハウスやトンネルなど被覆栽培では、昼間の温度管理を工夫することで作物の耐凍性を高めることができる。昼間にハウスやトンネルを密閉して温度を高めると、生育は進むが耐凍性が弱まる。この結果、夜間に温度が下がると凍霜害を受けてしまう。例えば田村(2005)の実験によると、昼20℃夜15℃で育てたホウレンソウは-6.2℃で細胞の50%が凍結するが、その後、昼夜15℃、10℃、6℃、2℃で14日間育てると、50%の細胞が凍結する温度がそれぞれ―7.5℃、―8.7℃、―14.1℃、―16.1℃に低下する。コマツナもほぼ同様の傾向を示した。これらの結果からホウレンソウやコマツナを日平均気温5℃前後(例えば最高気温10℃、最低気温0℃)の環境で2週間ほど育てると、マイナス10℃程度の低温にも耐えられるようになる。冬でも昼に日差しがある条件でハウスの窓を閉めれば、気温は容易に20〜30℃に達する。昼にいくらハウスの温度を上げても、夕方になれば気温は急速に下がって夜は外気と大差がなくなる。放射冷却が卓越した朝方にはハウス内気温が外気より低くなることさえある。昼に窓を開けて気温を下げることが、耐凍性の獲得に欠かせない。ハウス内にトンネルを設ける場合には、さらにトンネルの開放も必要だ。冬が近づいたらハウスを温めて成長を促さないことが重要だ。このように耐凍性を高めた菜っ葉には糖が蓄積されるから甘味も増す。詳しくは後述の「寒締め菜っぱ」をご覧ください。

 田村(2005)の報告には、具体的なハウスの管理と耐凍性の関係、品種間差などについて、詳細な結果が報告されている。こちらをクリックすると、pdfファイルをダウンロードできます。






 
 
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