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暖房機容量を見積もる

  • 2022年1月6日
  • 読了時間: 2分

更新日:2022年5月11日

 ハウス暖房機の必要容量を簡単に見積もることができる。かつて訪問した農家に過大な容量の暖房機が設置されていた。理由を聞いたら“100坪用はこれだと業者が勧めたから”という返事。しかし暖房機容量はハウスの大きさで決まるのではない。設置場所の気温や栽培する作物の適温、ハウスの保温状況などで決まる。私の計算ではこのハウスの暖房機は2倍前後過大だった。過大な暖房機を設置すれば無駄な経費を負担するだけではなく、オンオフに伴う気温の昇降が大きくなるなど温度管理上のデメリットもある。大まかでも良いから適切な容量を求めて、ハウスにあった暖房機を選びたい。

 冬の寒い朝に観測される最大暖房負荷を求めて暖房機容量を決める。最大暖房負荷は次の式から計算する。


  最大暖房負荷=暖房負荷係数 × ハウス表面積 × 内外気温差


暖房に必要な熱量は、ハウスの表面積と内外気温差(室内気温と外気温の差)に比例するという式だ。放熱過程ごとに熱量を求める精密な式もあるが、暖房機容量はこの式でほぼ決めることができる。それぞれの単位は、最大暖房負荷係数:W、暖房負荷係数:W/㎡ ℃、ハウス表面積:㎡、内外気温差:℃である。

 この式の比例係数である暖房負荷係数には、カーテンのないハウスなら6.6 W/㎡ ℃、農ビや農ポリの1層カーテンを設置した場合は35%減の4.3 W/㎡ ℃などの値を使う(詳しくはこちら)。ハウス表面積はフィルムで覆う面の広さで、床面積のおよそ1.2〜2倍の値である。この比率は大きな連棟ハウスで小さく、小さな単棟ハウス(例:パイプハウス)では大きい。暖房負荷は晴れて寒い夜に大きく、外気温が最も低下する明け方に最大となる。したがって、式中の室内気温にはこの時間帯の設定温度を使う。変温管理で夕方から午後10時ごろまでは15℃に、その後朝まで10℃に設定しているなら10℃を室内気温の設計値とする。外気温には数年に一度起こるような低温を使う。例えば、過去30年の年最低気温の記録でマイナス5℃代が2回、マイナス4℃代が5回、マイナス3℃代が10回ほど観測されていたなら、マイナス3〜4℃を設計上の外気温とするのが適切だ。気象庁のホームページで近くのアメダスの記録を調べれば、これらの数値を知ることができるだろう。

【例題】

 ・ 表面積が1200㎡で農ポリの1層カーテンを設けたハウス

 ・ 室内気温が10℃、外気温がマイナス5℃ → 内外気温差 = 15℃

 ・ 最大暖房負荷 = 4.3 × 1200 × 15 = 77,400 W ≒ 77 kW

カタログに90 kWの温風暖房機があれば、安全率を1割見込んでも十分な容量だ。2台の暖房機を設置するなら45 kWを2台という選択だろう。

 
 
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