スマートな技術
- 2024年7月31日
- 読了時間: 2分
前項のスマート農業で触れたように、スマートというと最新のデジタル機器やロボット、ドローンなどを思い浮かべる人が多いだろう。しかしデジタルがスマートでアナログはスマートではないと断言できるだろうか。例として温水と冷水を混合して適温のお湯を供給する装置を考えてみよう。デジタルな方法では、お湯の温度をセンサーが測定し、設定温度との差に応じてIC回路が温水と冷水のバルブの開け方を調節するという仕組みとなるだろう。温度センサー、電磁弁、IC回路(動作をプログラムしたマイクロコンピュータと信号の入出力用回路)などの複数の機器を組み合わせ、それぞれの動作に電気が必要だ。一方、アナログな方法の代表としては、風呂場の蛇口に使われるサーモスタット付き混合栓がある。温度目盛りのつまみがついていて、お好みの温度に合わせるタイプだ。内部に形状記憶合金が入っていて、温度の高低で伸び縮みして、バルブを操作する。電気は不要だ。温度制御の正確さでは、前者のデジタルが優れているが、技術としてのスマートさは、形状記憶という機能だけで解決する後者の方が上だと私は考える。
農業の現場では、ドローンによる農薬散布がスマート農業の例として紹介されるが、農薬散布を抑えられる耐病性品種という技術の方がさらにスマートではないだろうか。もしリンゴ栽培に矮性台木という技術がなかったら、今頃、高所収穫ロボットがもてはやされていたかも知れない。力任せでない技術にスマートさがあると、私は信ずるのだが、皆さんはどう思いますか。