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スマート農業

  • 2024年7月30日
  • 読了時間: 2分

 日本語の「スマート」は「スタイルが良い」とか「カッコいい」だが、英語の「smart」は「頭が良い」や「賢い」の意味。スマートフォンの「スマート」もその意味で、単なる電話ではなく、ネット利用や各種アプリの動作などパソコン並みの機能を使えるゆえのネーミングだ。さて近年、「スマート農業」という言葉を頻繁に聞くようになった。その多くはデジタル機器やロボット、ドローンなどいわゆる最新テクノロジーの利用を紹介する。確かにそうした最新機器は、その分野ではスマートな技術かも知れない。しかしそれを導入するだけでスマートな(賢い)農業と言えるだろうか。

 そもそも農業とは、しっかりとした経営戦略のもとで様々な技術を上手に組み合わせる賢さ(スマートさ)が常に求められる。すなわち技術と経営の総体としてスマートな農業であることが、真のスマート農業と言える。最新テクノロジーの利用は、それを支援するための一つの手段だが、そうした機器を一つ二つ導入したからスマート農業と呼ぶのは少々短絡すぎる。

 例えば、ハウスの環境管理機器を考えてみよう。最近の装置は、気温制御のための暖房や換気装置の調節だけでなく、日射や気温条件に応じた灌水管理、カメラによる作物の撮影などの機能があり、さらにそれらの状態をスマホやパソコンで遠隔地からモニターしたり、制御条件を変更したりできる。スマートな機能を満載した装置だが、これをうまく活用するという営農者の賢さなしではスマートな営農にはつながらない。装置やクラウドに蓄積した管理データをうまく活用して、作物の生育管理や収穫増、収益増に結びつけるとか、装置の助けによって生まれた時間を営農全体に生かしてこそ、はじめて機器を導入した価値が生まれる。ハウスに行かなくても作物の状態や環境を把握できるからと言って、実眼での観察を怠るようでは本末転倒だ。日射量や土壌水分の変化に対応できる自動灌水装置を導入したある農家が、これで作物の管理に使える時間が増えたと喜んでいた。こうした一つ一つの技術や知識・経験の積み重ねが真のスマート農業の姿ではないだろうか。

 
 
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