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地上の熱現象は放射から始まる

  • 2021年5月28日
  • 読了時間: 2分

更新日:2022年4月2日

 昼が暖かく夜が寒いのは、昼は地表が日射を受けて暖まり、夜は長波放射を放って冷えるからだ。大気は日射や長波放射をほとんど吸収しないから、最初に暖まったり冷えたりするのは地表面だ。その地表面に触れた空気が対流の作用で暖まったり冷えたりする。したがって昼は地表面の温度が最も高く、地表面から離れるほど気温が低くなり、夜は逆に地表面が最も低く、上層ほど気温は高くなる。天気予報では通常地表から高さ1.5mの気温を示す。例えば、夏の日中に1.5m高の気温が30℃を記録する時、周囲の地表面温度は35℃前後かもっと高くなる(日射や風の強さ、地表面の状態によって上下)。地表に近いほど気温が高いから、大人よりも子供の方が熱中症にかかりやすいと言われる。背の低い子供の方が地表面に近く大人よりも高温にさらされていることが一因だ。放射冷却で冷える夜は、これとは逆に地表面の温度が最も低く、地表面から離れるほど気温が高くなる。このような地表面と上層の空気との温度差は、風が強いと小さくなり弱いほど拡大する。晴れて風のない夜に霜害が多発するのはこのためだ。

 地表面の熱は地中内部にも伝導で伝わる。伝導とは固体の中を熱が伝わる現象で、電磁波で一瞬に伝わる放射や、空気や水の流れで伝わる対流に比べて、熱が伝わる速度は遅く範囲も小さい。さらに土は空気に比べて熱容量(熱を蓄える能力)が非常に大きいので、温度が急激には変化しない。このため地表面温度が昼に30℃まで上がり、夜に10℃まで下がったとしても、地表から50cmくらいの深さの地温は一日中20℃前後でほとんど変化しない。一般に深さ50〜60cmになると地温の日較差(日最高と日最低の差)が観察されなくなる。さらに5〜6m以上の深さでは年較差もなくなり、一年中安定した地温を保つ。井戸水が夏冷たく冬暖かく感じるのは井戸水の温度が一年中変わらないからだ。浅い層(深さ10〜20m程度)井戸水の温度は、概ねその地点の年平均気温に近い値を示す。

 晴れた日の温度変化の典型的なパターンを以下の図に示した。このような図を温度の垂直分布と呼ぶ。赤い線が昼、緑の線が夜のパターンである。縦軸が地表からの高さ、ゼロより下は地中の深さだ。横軸は温度だが、あくまでも例示であり、実際の数値は季節や天候、地表面の状態によって大きく変わる。



 
 
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