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夜風は温風

  • 2020年9月10日
  • 読了時間: 2分

更新日:2020年12月11日

 著者の恩師三原義秋先生は、「夜風は温風」という名言を残した。人は、夜風に限らず、風が吹けば寒いあるいは涼しいと感じる。人は恒温動物だから、体温よりも低い風が吹けば、身体から熱が奪われて寒く感じる。ちなみに「風速が1メートル増すごとに、温度が1℃下がる」と言われる。これは、気温が1℃下がるという意味ではない。風速が1メートル増すごとに、人が感じる温度(体感温度)が1℃下がるという意味だ。

 恒温動物ではない植物も風が吹くと体感温度が下がるのだろうか。昼、日が当たっている植物の葉の温度は、蒸散していても周囲の気温よりも高くなることがある(日当たりと蒸散の関係で低いことも多いが)。周囲の気温よりも高いときに風が吹けば、当然、植物は冷えて体温が下がる。風で熱が奪われるからだ。さて夜はどうだろうか。すでに述べたように、晴天の夜は放射冷却によって、植物は冷やされて、その体温は周囲の気温より低い。そのときに風が吹くと、植物は周囲の空気から熱をもらう。風が強ければ強いほど、植物の体温は気温に近づくから、植物にとって夜風は温風である。良く晴れた夜でも風が強いと霜が降りにくいのも同じ理由だ。

 三原先生は、防風林でしっかり囲ったミカン園では、この温かい夜風が遮られて霜害が助長されると報告した。興味のある方は、こちらをご覧ください。ときどき下枝を落とした防風林を見かける。木の管理上、下枝を落としているが、静かに流れる夜風を通し、暴風の強い風を上方の枝葉で弱めるから、このような仕立て方は、霜害軽減にも有効である。

 
 
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