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湿度の話と湿り空気線図

  • 2023年8月31日
  • 読了時間: 3分

更新日:2025年12月26日

 湿度とは空気に含まれる水蒸気の量を表す言葉だが、その表し方は多様で、様々な用語が使われる。例えば、空気中の水蒸気の量を表す言葉だけでも、水蒸気圧、絶対湿度(水蒸気濃度)、比湿、混合比などがあるが、ここでは気象学で一般に使われる水蒸気圧を使用する。水蒸気圧は大気圧に占める水蒸気の分圧で、単位にはPa(パスカル)やkPa(キロパスカル)などを使う。他の用語については後段の(補足1)を参照ください。

 空気はその温度が高いほど多くの水蒸気を含むことができる。その最大値を水蒸気圧で表した値を飽和水蒸気圧と呼ぶ。下の図は横軸に乾球温度(気温)、縦軸に水蒸気圧を表したもので、湿り空気線図という。右上がりの太い紫の線が飽和水蒸気圧だ。飽和水蒸気圧を越える水分は水蒸気として空気中にとどまることができず、凝結して水滴となる。これが雲や霧だ。飽和水蒸気圧を100として実際の水蒸気圧を相対値で表したものが、相対湿度だ。この湿り空気線図には10%刻みで相対湿度を示した(青色の線)。飽和水蒸気圧の線から右下がりに伸びる緑の波線は湿球温度を示す。乾球温度と湿球温度については(補足2)を参照ください。

 図中の赤丸は乾球温度25℃、湿球温度20℃の点だ。この座標から水蒸気圧が2kPa、相対湿度は64%と読み取れる。さらに水蒸気圧が飽和に達するまで赤矢印を左に辿ると露点温度が17.5℃と求められる。露点温度とは、水蒸気圧を一定に保ちながら空気を冷やして行って(左向きの矢印)、水蒸気が凝結を始める温度である。冷たいコップの表面に水滴が凝結したときは、その表面温度が周囲空気の露点温度より低いことを示す。なおこの湿り空気線図を利用されたい方は、こちらからダウンロードできます。


(補足1)水蒸気量を表す用語

絶対湿度:空気1㎥あたりに含まれる水蒸気の質量(重さ)でg/㎥で表す。

比湿:水蒸気の質量と水蒸気を含む湿潤空気の質量との比でg/kgなどで表す。

混合比:水蒸気の質量とその水蒸気が共存する乾燥空気の質量の比でg/kg’(kg’は乾燥空気の質量)などで表す。機械工学の分野ではこの混合比を絶対湿度と呼ぶので、異分野の人と話すときには混乱しないように注意が必要だ。

(補足2)乾球温度と湿球温度

 湿度を正確に測る装置の一つにアスマン通風乾湿計がある。下図の右に示すように、普通の温度計とガーゼを撒いて水で湿らせた温度計の2つのセンサーで構成される。前者が測るのは気温で、これを乾球温度という。一方、後者が測る温度を湿球温度という。湿度が低いほど湿球からの水の蒸発が盛んになり、気化熱を奪って湿球温度が下がる。この原理を利用して乾球温度と湿球温度から湿度を測定できる。放射の影響を防ぎ、かつ気化を安定させるために一定の速度以上で感温部を通風する。私の小中学校時代には教室の壁に2本のガラス温度計が吊るされ、その一方にガーゼが巻かれていた。今もその光景が見られるかは分からないが、これは通風装置のない簡易な乾湿計だ。



 
 
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