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換気扇の稼働風量を見積もる

  • 2023年6月9日
  • 読了時間: 2分

 自然換気で十分な効果を得られないときに、換気扇が利用される。利用にあたっては、換気扇を取り付けるハウス条件で、実際の稼働時の換気風量を見積もる必要がある。換気扇のカタログには通常、空気の流路に抵抗がない場合の風量(最大風量)が記載される。実際には吸気口、シャッター、フードなどが抵抗となって、稼働時の風量はこの最大風量よりもかなり小さい。近年は害虫の侵入を防ぐために窓にネットを張るハウスが多く見られる。とくに目合いの小さいネットは大きな抵抗を生む。換気扇の稼働中に出入り口のドアを開けて、外気が勢いよく流れ込むならかなりの抵抗があると推測される。

 前項「換気による昇温抑制」の図には、毎分300㎥の風量を有する換気扇を例にして、必要な換気扇台数を示した。この毎分300㎥という風量を達成するには、最大風量がこれよりも大きな換気扇が必要だ。

 換気扇のカタログや仕様書に掲載される換気風量と抵抗の関係図を使うと、稼働時の風量を求めることができる。下図はその一例だ。赤線は静圧–風量曲線と呼び、抵抗があるときの換気扇の能力を示す。例えば換気扇で室内の空気を排気するとき、吸気口の抵抗によって室内の圧力が低下する。この圧力低下(静圧)は抵抗が大きいほど増大する。例示した換気扇は100cmタイプの電動シャッター付きで、最大風量は毎分325㎥である。抵抗が増すと、風量が低下することが赤線からわかるだろう。この換気扇に対して同じ大きさの電動シャッターをハウスの吸気口に使う場合を考えよう。電動シャッター付き吸気口には、別途、風量と圧力損失との関係図が用意されている(青線)。風量が増すと通気抵抗が大きくなる。赤線と青線が交わったところで、換気扇と吸気口の両者の圧力と風量がバランスする。この交点の風量を読み取ると、稼働風量がおよそ毎分240㎥と求められる。最大風量の3/4ほどに低下する。より最大風量に近い風量を得るには、換気扇1台に対して吸気口を2つ取り付ける。吸気口が2つになれば、吸気口1つあたりの風量が半分になるから、吸気口の圧力損失は横軸の風量の半分の風量に対する値となる(緑線)。赤線と緑線の交点が吸気口2つの場合の解で、稼働風量がおよそ毎分290㎥となる。

 以上からわかるように、換気扇の能力を最大限引き出すには、少なくても換気扇の開口面積の2倍の大きさの吸気口を設置したい。吸気口に防虫ネットを取り付けると抵抗が増えるので、さらに大きな吸気口が必要となる。


 
 
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