換気の基本は窓の開閉
- 2022年11月18日
- 読了時間: 3分
窓の開閉によって換気する方式を自然換気あるいは窓換気という。これに対して換気扇を使う方式を強制換気または機械換気という。ハウスの側方にある窓を側窓、屋根の上にある窓を天窓と呼ぶ。間口が数メートルの小型ハウスだと側窓だけでも、ある程度の換気を期待できるが、大型ハウスや連棟ハウスでは、天窓が必須である。
空気は暖まると軽くなって上昇するので、側窓から冷たい外気が入り、室内で暖められた空気が天窓から排出される。天窓がないと、この効果が期待できない。小さなパイプハウスでも、ハウス上部に熱気が溜まって、頭部に暑さを感じることがあるだろう。ハウス上部の熱気を排出するために天窓が大きな役割を果たす。また春先など、日差しは強いが外気温が低い時に側窓を開けると、冷たい外気が窓際の作物に直接当たって生育を阻害することがある。このような時に天窓が極めて有効だ。最初は天窓の開閉で温度を調節し、外気温が上昇して天窓だけで不十分になったら側窓を開ける。
近年、窓にネットを張って、アブラムシやアザミウマ類などの小型害虫の侵入を防ぐ対策が普及している。目合いが小さいネットは換気を著しく阻害するので、窓全面に展張すると室温が極端に上昇してしまう。そこでネットを張る高さを地上から1.5m程度にとどめ、それより高い側窓や天窓にはネットを張らずに、換気と防虫の両立を図る方法がある。実はこれらの小型害虫は自力では高いところまで飛べない。この習性を利用した手段だ。周囲の害虫の生息密度などを考慮すれば、有効な対策となろう。この場合にはとくに天窓の役割が大きい。
天窓は高価でハウスの形状によっては設置が難しく、また雨漏りの原因になるなどの理由でしばしば敬遠されるが、その効果は絶大だ。天窓の代わりに換気扇を取り付けても、天窓の機能を十分には代替できない。
パイプハウスでは天井部のフィルムを棟近くまで巻き上げるフルオープン機構が換気率を高めるために最も効果的な手段である(例えば、こちら)。また強い台風の来襲時に、巻き上げたフィルムを棟パイプに縛り付けると、ハウス倒壊のリスクを下げる効果が期待できる(作物は諦めて)。
天窓の換気効率を高めるアイデアを2つ紹介する。両側に開くタイプの天窓で、図1のように横から風が吹くとしよう。このとき、外気のすべてが室内に流入するわけではない。かなりの割合がそのまま天窓を通過し、一部が室内に流入する(図1の上)。この流入した割合が換気として室温低下に作用する。そこで天窓に図1下のように1枚のフィルムを垂らすと、天窓を通過する外気が室内を迂回するように流れる。天窓を通過する外気量はフィルムがないときよりも減るが、室温低下に作用する流入外気の量が増える。フィルムをうまく垂らすことができる構造であれば試してみてください。
連棟ハウスとして有名なフェンロー温室(こちらを参照)の天窓は、互い違いに配置されていて(図2)、外気がそのまま通過しにくい構造が特徴だ。風上側の天窓から流入した外気は一旦反対側の屋根にぶつかり、室内を迂回してから、風下側の天窓から外に出る。これも図1と同様、室内に流入する外気量の増加に寄与している。

