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換気による昇温抑制

  • 2022年8月8日
  • 読了時間: 2分

 ハウスに降り注ぐ太陽光(日射)が熱となってハウスの気温や湿度を高める。この熱を屋外に排出して気温の上昇を防ぐのが換気の役割だ。春〜夏にハウス内の日射量は床面積1㎡当たり最大500〜600Wに達する。この熱の一部は、作物や土壌の温度さらに気温の上昇に使われる。これを顕熱と呼ぶ。また熱の一部は作物からの蒸散や地表面からの水の蒸発に使われ、室内の湿度を高める。これを潜熱と呼ぶ。顕熱と潜熱の割合は、作物の繁茂状態や地表面を覆うマルチの有無などによって大きく変わる。乾いたハウスだと顕熱の割合が多くなり、気温が上昇しやすい。湿ったハウスだと潜熱の割合が多くなって、気温は上がりにくいが湿度が上がり蒸し暑く感じるだろう。

 図には、ハウス内の日射量を600W/㎡とし、内外気温差(室内気温-外気温)と換気率との関係を示した。顕熱割合50%を乾いたハウス、30%を湿ったハウスとした。バラ、カーネーションなどの花卉やイチゴなどの栽培は乾いたハウスに、キュウリが繁茂した状況が湿ったハウスに当たる。なお作物がほとんど栽培されず、地面が著しく乾いている場合は顕熱割合が70%を超えることもある。その場合は、赤い線を右にシフトして考えれば良いが、そのような状況の栽培ハウスは稀だろう。横軸に示した換気率は床面積1㎡当たりの換気量(内外空気の交換量)で、内外気温差を決める重要な指標である。この換気量を換気扇で実現する場合は、上段に示した換気扇必要台数を参考とする。毎分300㎥の風量を持つ換気扇が1000㎡のハウスに何台必要かを表す。

 赤線の乾いたハウスを例にとると、換気率が2㎥/㎡ 分よりも小さいと内外気温差が急激に増大することがわかる。内外気温差を5℃前後に抑えるには2〜2.5㎥/㎡ 分の換気率を確保しなければならない。一方、換気率を5㎥/㎡・分以上に増やしても、内外気温差がそれほど減少しない。したがって夏の高温期でもハウスを程々の温度に維持する換気率の目安は2〜4㎥/㎡ 分程度である。換気扇の台数で言えば、1000㎡当たり10台前後が設置の目安となる。屋外の風速が毎秒1〜2m以上あれば、天窓と側窓を有するハウスで達成することができるが、天窓がないハウスや窓に防虫網を張ったハウスでは実現が難しい。効率的に換気する方策については他の節で紹介する。


 
 
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