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大きいハウスは保温力が高いか?

  • 2022年4月16日
  • 読了時間: 2分

 「大きいハウスは保温力が高いのでは」と、よく問われる。大きい物は冷えにくいという実感からそのように連想しがちだが、答えはノーだ。密度が大きい材料で大きな容積の物を作れば、熱を保有する能力(熱容量)が大きくなって冷えにくい。分厚いコンクリートでできた建物は昼に吸収した日射熱を夜まで保有するので、保温力が高いと言える。一方、建物の容積が大きくても体育館のような薄い壁でできた構造だと、熱容量が小さいのですぐに冷えてしまう。ハウスは体育館よりもさらに熱容量の小さい材料で作られるから、熱を保有する能力は極めて小さい。

 昼間にハウス内気温が高まる熱源は日射だ。晴れた日に温度が上がり、曇ると上がらないのはこのためだ。日射熱の一部はハウス内の土壌に蓄えられ、夜間の温度維持に使われる。しかしその熱量はわずかしかない。作物が繁れば日射のほとんどが作物に遮られ、土壌面まで届かないからだ。一方でよく晴れた夜は長波放射の放熱でハウスが冷やされる。農ビや農POの外張り資材は長波放射を通しにくいが、それ自体が長波放射を放って冷えるため、ハウス外張り温度が外気温よりもかなり低下する。この結果、ハウス内気温が外気温よりも低くなる“内外気温の逆転”が観測される。ハウス内は風がないから、人には外よりも温かく感じるが、気温の逆転は稀ではない。このような時は、ハウスの窓を開けた方が室内の気温が上がる。お試しあれ。

 
 
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